2008年7月23日水曜日

マーラー詣で(4)

7月20日

日曜日。朝、シュテファン教会でモーツアルトの Missa brevis D-Dur を聞きに行きました。大きなドームの中は完全に一杯でした。コンサートと思っていたら本当にカソリックのミサでした。コーラスは25名ぐらい、ソリストがソプラノ、アルト、テナ、バスの4人。演奏者は第一、第二ヴァイオリンとビオラが各二名ずつ、後はチェロとコントラバスが一台ずつプラスオルガン。小編成でしたがなかなかよかった。特にミサの進行に合わせてモーツアルトを演奏するので私たちは立ったり座ったり、歌ったり その毎に大勢の聴衆がガサゴトする。演奏は何事もないように続けられる。セレモニーの機能の中でのモーツアルトというのがとても新鮮でした。でもモーツアルトの時代には本当にこのように音楽が使われていたのかな、とも思いました。


教会の外に出ると、人ごみの中にモダンな建物がそびえています。ガラス張りのその建物は教会が見えない側なのに姿が写っているという、面白いものでした。

それからMAT美術館のウィーン工房に行きました。ユーゲント・シュティールの大御所、ヨセフ・ホフマンの作品が展示されています。家具、食器、ナイフやフォーク、装飾品。斬新なデザインの中にどことなく優しさのある作品です。見ていると全部ほしくなる。ホフマンはその上建築も行いました。アルマの実家は彼の設計です。世紀末には本当に才能のある人たちがいっぱいいたのですね。



今日は美術館の梯子です。歴史博物館でクリムトの有名な絵、青い衣装の女性(エミリエ・フレーゲ)の肖像を見ました。秋に録音するマーラーの歌のCDの表紙に使おうかと思っていたので、ぜひ見たかったのです。「大地の歌」の最後の歌詞が、永遠の青い光を歌っているので、この衣装の一部にとひそかに思っていたのですが少々くすんでいて、永遠の光にはちょっと… 残念。

最後にマーラーが住んでいたアパートのある建物を見に行きました。写真中央の黄色い建物からかれは毎日オペラ座に通っていたのです。歩いて12-3分と思います。今はすぐそばの広場、シュヴァルツェンベルクは広々と整理されていますが、当時はオットー・ヴァーグナーによって川が埋め立てられ、大工事が行われていた一角です。


すっかり疲れて、ホテルに戻りました。

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