土曜日は朝から子どもたちのためにパーティを準備して、近所の子ども達をよんであげて、3時から5時までマリアを教えて、夜8時からはオペラ座の横にある広場で野外演奏会がありました。サンサーンスの「シムソンとデリア」アンナの相手役はこれも世界的なテノールのラッセ・クレーブランド。アンナのすごいバイタリティーにはびっくりです。
野外コンサートの後で、近くのバー・レストランに行きました。ピアニストのマッティ・ヒルボネンと彼の娘さんも一緒でした。マリアがアンナにSMSを送ったら、彼女もそこに現れました。
シャッター・チャンスが悪くてすみません。右の写真、手前はアンナとマリア。後ろに立っているのはマッティです。
日曜日はアンナの自宅でレッスン。彼女と家族(ご主人と坊やが二人)はストックホルムの郊外にあるリーディングオーというところに建築家が建てた新築の家に住んでいます。
彼女は素晴らしい歌手でもあるし、教師でもあります。私は生れて初めて、本当に高度の歌のレッスンというものを経験しました。生徒にとっては新しいテクニックを引き出してあげて、納得させながら教えていく。生徒の悪い癖を真似するのが実にうまい。例えば、歌手の先生がよく言う、「アゴをリラックスしなさい」というだけだと何が起こるかを実演して見せます。マリアのドイツ語が暗くなりすぎるのに対して、この写真では母音を口の前のほうに持っていく方法を指導しています。
マリアは9月にムシカ・レディヴィヴァ(www.mrcd.nu) のラベルでマーラーを入れるために、このレッスンを受けているのですが、アンナはアバドの指揮でマーラーをほとんど全部歌っているのです。彼女が本当に寛大だと思ったのは、彼女自身がアバドの元で練習した時、彼がどんなことを注意したか、逐一マリアの教えてくれたことでした。勿論アンナがマリアを買ってくれているからなのですが。
レッスンの終わりにアンナが与えたこと。
「歌手のように振舞うな。そういった取って付けた態度を全部取り去って、マリアという人間の中身だけになって歌いなさい。私はそれが一番大事だと思います。それは聴衆の前に全てをむき出しにしてしまうことなので、とても勇気がいるのだけれども、成功すると、本当に心を打つ歌になるのです」
アンナもそれを一生懸命に実施しているのでしょう。
帰りのストックホルムの駅でほっとして一息。マリアは大好きなイタリアン・アイスクリームを吟味しています。
帰りの電車が遅れて、イェーテボリに着いたのは夜の10時半でした。
くたくたに疲れたけど、とても実のある週末でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿